8.そして夜が明けて


 広間へ向かう途中の廊下で、フィオナはベニーと出くわした。

「座長。どうしたの? 起こしてしまったかしら」
「物音が聞こえたような気がして……。何かあったのか?」

 フィオナはベニーに微笑んでみせた。

「事件解決、と言って、ほぼ間違いはないと思うわ」

 その瞬間、ベニーの仮面の奥の目が輝いた――ような気がした。
 ベニーは大きな声を上げかけてはっと気がついたように息を飲み、
それから声をひそめて言った。

「ほ……本当か!? 吸血鬼は――!?」
「もう、現れないはずよ。
 あたしも、まだしっかりとは把握できていないのだけれど……。
 仲間が帰ってきたら、全て教えてくれるはずよ」

 ベニーもフィオナと一緒に、広間でユーリ達を待つことになり、
そしてしばらくして――。

「フィオナ! 座長! ただいま帰りました」

 寄宿舎の扉を開けて、ソラヤが笑顔で入ってきた。
 その後ろからやってきたラーフラは、なにやら手に袋を持ち、
最後に入ってきたユーリは……ぐったりした男の人――オーバンを背負っている。

「お帰りなさい。……その人は?」

 フィオナがオーバンに目をやると、

「はっきりしたことはまだわかりませんが、重要参考人、ってやつですかね……。
 元凶のマジックアイテムもばっちり破壊して、回収してきました」

 ラーフラがそう答えて、手に持った袋を持ち上げてみせた。
ユーリが口を挟む。

「それ、俺が壊したんだよ」

 フィオナが「そう。お疲れ様」と言うと、ユーリはなんだか満足そうな表情で笑った。
 ソラヤが、少し不安そうに訊ねる。

「そのマジックアイテムを通して、ここの様子が見えてたんです。
 今、イザクはどうしていますか……?」

 鏡が割れた瞬間、映っていた寄宿舎の光景は消え失せた。
吸血鬼の気配も消えたことはわかったけれど、三人はイザクが無事かどうかが気がかりだった。
 フィオナは頷いて、

「元に戻って、部屋で寝ているわ。シェベット達もいるから、行きましょうか」
「元に……戻って?」

 驚いたような声で、ベニーが聞き返す。
 みんなでイザクの部屋へと向かいながら、フィオナはベニーに今までのことを話した。

「――そうだったのか。しかし、一体何故イザクを吸血鬼になど……」

 と、ベニーはうなるように言った。オーバンとは知り合いではないらしい。

 イザクの部屋の近くまで来ると、中から扉が開いて、シェベットが顔を出した。
足音が聞こえたのだろう。

「おお、お帰り」

 言いながら、ユーリが背負っているオーバンに目を留めて、シェベットはまばたきした。
部屋の中に後ずさるようにして、みんなを招き入れると、
壁際に座り込んで眠っているサニーを起こしに行った。

 イザクが寝台で眠っているのを見て、ユーリ達はほっと胸を撫で下ろした。
 目を覚ましたサニーは、ぼんやりとした目で辺りを見回し、
ユーリ達がいることに気がつくと、少しふらつきながら立ち上がった。

 そして、一行はお互いの出来事を話し合ったけれど……
やはり、事件を仕組んだ張本人やその目的など、肝心な部分はわからないままだ。

「……これ以上は、その人に聞いてみないといけないかしらね」

 フィオナはユーリの背中をちらりと見た。
相変わらず、オーバンはぐっすりと眠っている。
 ラーフラが申し訳なさそうに、

「魔法で眠らせてしまったので、朝まで起きないかもしれませんね……。
 咄嗟だったので、ちょっと加減ができなくて」
「交代で仮眠して、朝を待つか」

 シェベットがそう言って、一行は――
談話室をめちゃくちゃにしてしまったことをベニーに謝り
(彼は、そんなことは気にしないで良いと言ってくれたけれど)、
広間で仮眠を取りつつ、夜を明かしたのだった。


 さて、朝になって目を覚ましたオーバンは……
冒険者達とイザクと、ベニーとアルーエットに取り囲まれているのに気がついて、
一瞬、怪訝そうな表情を浮かべた。

 けれど、すぐに昨晩のことを思い出し、今の自分の状況も理解したようで、
ぎょっとしたように目を見開いた。
がばっと立ち上がって、勢いよく頭を下げる。

「その、な、なんというか――すまねえ! 本当に――!」
「オーバンさんが犯人なのか? なんで、こんなことしたんだ?」

 ユーリが聞くと、オーバンは下を向いて黙り込んだ。
イザクが首をかしげて、オーバンの顔を下から覗き込むようにした。

「オレ、吸血鬼になってた間のことはほとんど覚えてないから、
 何が起きてたのか、よくわかってないんだよ。ちゃんと教えてくれよ」
「……わ……わかった」

 オーバンは頷いて、ぽつぽつと話しはじめた。


 事件が起き始めた夜の、二日前の夕暮れ時。
 オーバンは仕事を終えて、家へと帰る途中だった。
昨日会った恋人が、やたらとイザクの話を楽しそうにしていたことを思い出して、
ちょっとだけ苛々としながら市場を歩いていた。

 家への近道の、横道を通ったとき、「お兄さん」とオーバンを呼ぶ声がした。
 ふり返ると、そこには小さな露店があった。
淡い象牙色の髪に、赤いリボンを飾った少女が、にこにこしながら座っている。
 初めて見る顔だったが、ここは他の街から来た行商人がよく露店を出している場所なので、
若い店主だなと思っただけで、特に不審には感じなかった。

「ちょっと見て行かない?」と、にこやかに手招きされて、オーバンは露店に近付いた。
 品物の中に、ぼんやりと光る鏡があった。
変な鏡だな、とオーバンが首をかしげて見ていると、少女が遠慮がちに口を開いた。

「あの、お兄さん。……誰か、憎い人がいるの?」
「はあ?」

 オーバンが眉をひそめて聞き返すと、
少女は「変なこと聞いてごめんなさい」と慌てたように手を振って、鏡を指さした。

「これ、マジックアイテムなの。
 一度この鏡に姿を映した人を記憶して、
 そして、その人のことを嫌っている人が近くに来ると、こうして光るの」

 そう言って、少女は何か呪文のようなものを呟いた。
 すると、鏡にイザクの姿が映ったのだ。オーバンはあっと声を上げた。
「昼頃に来たお客さんだわ」と、少女が呟くように言った。
 オーバンはちょっとむっとしながら、

「……別に、憎いってほど嫌いなわけでもねえよ」

 ぶっきらぼうにそう言うと、少女はじっとオーバンの目を覗き込んだ。

「本当に?」

 少女の、髪と揃いの淡い色の瞳に見つめられると、
何故だか――心の奥底がひりつくような、妙な気分になって、
オーバンは何も言い返せなくなってしまった。

「でも、この人がいない方が、きっとあなたは楽しく過ごせるんじゃないかしら」
「……」

 鏡の中のイザクは、菫青座の座員と何か話しているところらしく、
なにやら楽しそうに笑っている。

「……あなたの好きな人だって、この人の話ばかりして。
 おかしいわよね。あなたよりも、この人のことの方が好きみたいじゃない?」

 オーバンが教えてもいないことを、少女は口にした。
 しかし、それをおかしいと思うよりも先に、
オーバンの胸の中に、怒りの感情が炎のようにかっと沸き上がってきた。

「――そう……だな。
 こいつに一泡吹かせてやれたら、少し気が晴れるかもしれねえ……」

 なんだかイザクがとても憎いような気がしてきて、オーバンはかすれた声で言った。
少女はにっこりと笑う。

「お手伝いができるかもしれないわ。
 この鏡はね、周囲の想念の力を集めて、人の姿を変えてしまうことができるの。
 一度この鏡に姿を映した人なら、何にでも変えられるの。
 動物でも、魔物でも……」
「想念?」

 オーバンが聞き返すと、少女は頷いて、

「鏡に向かって、この人が……例えば、魔物になっちゃいますように、って念じるの。
 初めの日は、まだ上手くいかないかもしれない。
 それにしばらくは、魔法の効果が現れるのは夜の間だけ……。
 だけど、そのうち想念が――
 想いの力が形になって、この人は本当に魔物になってしまうの」
「そんなことが……できるのかい?」
「ええ。
 ――『晴れの領主』という人の話を知ってる?」

 オーバンが首を横に振ると、少女はうたうように話しはじめた。

「昔のアイズホルムの領主様でね、
 『自分は太陽を連れて来ることができる』と言った人がいたの。
 その人が村を訪れると、何日も降り続いていたような雪もぴたりと止んで、
 不思議と空が晴れたんですって」

 本当に、領主に元々そういう力があったのか、
天気を読んだりして、そんな風に装っていたのかはわからないけれど……
と、付け足すように言って、少女は話を続けた。

「人々はそれを信じて、領主様はとても尊敬されたの。
 『領主様のいるところに陽の光は差す』、そう信じた人々の想念が集まって、
 そのうち――その力はどんどん強くなっていった。
 何年か経つ頃には、領主様がいるところだけ、南の国の夏のようになってしまうくらいに。
 だから領主様は一つの場所に留まれず、旅暮らしをせざるを得なくなってしまったの。
 そして結局は、その疲れと……夏のような暑さと日差しの中にずっといたのも、
 良くなかったんでしょうね。早くに亡くなってしまったそうなの」

 そう言って、少女は鏡に手を触れた。

「そんな風に、人の想いは力になるの。
 『晴れの領主』のように、目に見えない力だけじゃなく、
 存在まで作り変えてしまうことだってできる程の力に。
 そして、この鏡は、その力を強くしてくれるの」

 オーバンは口の端で笑った。

「そりゃあ、面白いな。効果が出るまで、どれくらい時間がかかるんだ?」
「それは、想念の力の強さ次第。
 あなた以外の人の想いも集められれば、それだけ早まるわ。
 でも逆に、この人の想いの方が強ければ、魔法が効かないということもあるかも……」

 なるほどな、と頷いて、オーバンは鏡を指さした。

「売ってほしいんだが、いくらだい?」

 篭められている魔法も強力そうだし、高価なのだろうとは思ったが、
オーバンは今、そこそこの持ち合わせがあった。
もしかすると、手を出せないこともないかもしれない。

「どうぞ、持っていって。お金はいらないの」
「へ……? い、いいのかい?」
「ええ。上手くいったら……もらいに行くから」

 少女はそう言うと、袋に入れるから待ってね、と、
露店の奥の荷物をごそごそと探りはじめた。
鏡はそこそこ大きさもあるし、光っているしで、このまま持ち帰ると目立つだろう。

 オーバンはそれを待ちながら、首をかしげるようにして、鏡の中のイザクを眺めた。

「動物でも……魔物でも、ねえ。どうしてやったもんかな」

 呟いていると、少女が袋を持って戻ってきた。
少女は鏡を持ち上げて、イザクの顔を見ると、

「この人、綺麗な顔をしてるわね。
 もちろん、この綺麗な顔を台無しにもできるけど……そうね」

 少女はちょっと考えたあと、何か思いついたように、あっ、と、笑顔になった。

「吸血鬼なんてどうかしら? あれは綺麗な魔物だから、他の人も信じやすいと思うの」
「そうか。いい考えだな。
 なんか、あれこれ親切にしてもらって、すまねえな」

 オーバンが軽く頭を下げると、
「親切だなんて、そんな」と、少女は謙遜したように手を振った。

「月の光の当たる場所に、鏡を置くのもいいわ。魔法の助けになるの。
 ――この人は吸血鬼。夜毎、街の人を襲うのよ。そう、鏡の傍で強く想ってみて」
「わかった。やってみる」

 そしてオーバンは、袋に包んでもらった鏡を家に持ち帰り――
その夜イザクは、鏡の邪悪な魔力と、
それを通して自分を見つめているオーバンの視線を感じた、というわけだった。
 少女が言った通り、その日は魔法はかからなかったが、
次の夜から吸血鬼が現れることになったのだった。

 ただ、吸血鬼の行動までオーバンが操れるわけではなくて……
ある夜、イザクはあろうことかオーバンの恋人を襲いに行って、
オーバンは余計に腹を立てる羽目になったりもしたのだけれど。


「――その鏡が、これですね」

 ラーフラは袋に入れて持っていた鏡の残骸を、傍のテーブルに開けて、
燃えて砕けた枠を、元のナツメの実のような形に並べてみせた。
「ああ、これ、露店にあった鏡だ!」とイザクが言って、オーバンも頷いた。

 アルーエットが鏡の破片をつまみ上げて、しげしげと眺めた。

「これのせいで、イザク君は吸血鬼になりかけてたんだね」
「あ、危ないですよ。
 まだ……本当にかすかにですが、魔力が残ってますし」

 ソラヤが慌てたように言うと、アルーエットは「ごめんごめん」と笑った。
 鏡の残骸を見て、フィオナは首をかしげた。小声でユーリに訊ねる。

「ユーリが壊したのでしょう? どうして燃えたようになっているの?」
「うーん。俺も、何が起きたのかよくわかってないんだけど……また後で話すよ」

 ユーリは肩をすくめて笑った。
 それから、鈍く光る鏡の破片に視線を移す。
オーバンの話を聞いていて、ユーリは昨日のアルハンの言葉を思い出していた。

(アルハンが話してくれたことみたいだ。
 想いと魔法で作られた嘘の姿が、そのうち本当になっちゃうなんて……)

 露店の少女が話した『晴れの領主』の話も、ユーリは知っていた。
その領主が亡くなってから、アイズホルム地方は昔以上に晴れの日が少なくなり、
冬もより厳しくなったらしいという話まであるのだ。

(その露店の子は、なんでそんな物を持ってて……オーバンさんに渡したんだろう?)

 少女は、ただ鏡を売りたかっただけ、という雰囲気ではなさそうに思えた。
 ちなみに、少女の露店は、
オーバンが鏡を手に入れた次の日にはもう無くなっていたらしい。

 ベニーが呟くように口を開く。

「想念の力、か……。昨日はイザクも――我々も、少し弱気になっていたし、
 実はかなり危ないところだったのではないか?」

 ラーフラが、「そうかもしれません」と頷いて、

「……アルーエットを襲ったことを、『夢』として少し覚えていたのも……
 吸血鬼としての意識と同調しはじめていたんだと思います」

 と、少し遠慮するような口調で付け足した。
イザクは気まずそうに肩を縮める。

「そうか。あれは……夢じゃなかったんだな。ごめん、アルー」
「ううん。わたしは平気だよ。気にしないで」

 アルーエットはけろりとした笑顔で手を振る。
 その横で、サニーが怪訝そうに眉をひそめて、オーバンを見た。

「しかし……今の話。
 オーバンさんも、その露店の主に、何か術をかけられていたんじゃないのか?」

 シェベットも頷く。

「あからさまに、誘導されてたような感じだったな。
 イザクを吸血鬼にする、っていうのも、その女の子が言ったんだろ?
 最初っから、その子が何か企んでたってことも……」

 オーバンは、力なくかぶりを振って、

「もしそうだとしても、それでも、……ちょっと憎らしく思ってたのは本当さ」
「人を魔物に変えて、それを冒険者に殺させようとするほどにか?」

 サニーが訊ねると、オーバンはさあっと青ざめた。
ぶんぶんと首を横に振ったあと、うなだれて、震える声で言った。

「……恐ろしいことをしたと思う。本当にすまねえ……。
 償いはなんでもするよ」

 一行は顔を見合わせた。フィオナが腕組みして、

「露店については、何も調べなかったわね……。
 ――オーバンさんは、その女の子に利用されただけ、という気もするけれど、
 ……どうする?」

 オーバンを、この事件を仕組んだ犯人として、警備隊に突き出すこともできるだろう。
 冒険者達が考え込んでいると、イザクが口を開いた。

「依頼は『吸血鬼退治』だったんじゃないのか?
 原因のマジックアイテムも壊れて、吸血鬼はもう出てこない、で解決だろ」

 えっ、と目を見開くオーバンに、イザクはにやっと笑ってみせて、

「オレが吸血鬼って話は、訂正しておいてくれよ。それでいい」
「わ、わかった――でもよ……」

 頷きながらも、オーバンはすっきりしない様子で口ごもった。

「……ってか、あんた、オレの踊りは観に来てくれたことあんの?」

 イザクが訊ねると、オーバンは彼から目を逸らして、首を横に振った。
 恋人が熱心に応援している、綺麗な少年の踊り子なんて、
話を聞いているだけでなんだか癪に触って、とても観に行く気にはなれなかったのだ。
 ふーん、とイザクは目をすがめて、

「じゃあ……申し訳ないと思ってるなら、一度観に来いよ。
 今度、旅興行に出る前に、芝居小屋で一公演やるから、彼女と一緒にでもさ。
 ……あんたとしては、癪かもしれないけど」

 図星を指されて、オーバンはうっと詰まったけれど、渋々といった様子で了承した。
イザクは、よろしい、というように笑って頷いた。

「イザクがいいんなら、俺達もそれでいいよ」

 ユーリがそう言って、一同は同意した。

「本当にいいんだな、イザク」

 念を押すように、ベニーが言った。
 イザクは迷わず頷いたが、オーバンはまだ納得しきれていないような、
申し訳なさそうな表情を浮かべている。
「あ――それじゃあ、さ」と、シェベットが、ぱちんと指を鳴らして、

「昨日、部屋の中でイザクと戦ったもんだから、えらいことになっちまってさ。
 それで……この前、あんたが宿で見せてくれた金なんだけど。
 もし、まだ使ってなかったら、その修繕代の足しに出してくれないか?」
「ああ、それくらい、もちろん構わねえよ」

 オーバンの返答を聞いて、シェベットはよっしゃ、と拳を握った。
 ここのところ、仕事もよくやっていたし、金欠というわけではなかったけれど、
自分達で出すとなるとなかなか手痛い出費になるところだった。


 そうして、後でその少女の人相書きを作るのにも協力してもらうことにして、
オーバンを家へと帰した。

 ソラヤは笑顔を浮かべて、ふう、と息をついた。

「とりあえず一件落着、ですね」

 イザクも深く息をすると、改まった様子でユーリ達の方に向き直った。

「今回は、ホントに……ありがとな。
 解決してくれたのも、もちろんだし――
 お前らが吸血鬼を退治するって言ってくれたのも、
 オレを信じてくれたのも、嬉しかったんだ」

 ユーリ達も、ベニーもアルーエットも、笑って頷いた。

「宿に戻って、朝食にしましょうか」

 ラーフラがそう言うと、イザクとアルーエットが、
「あっ。オレも行こうかな」「じゃあ、わたしも!」とついてくることになった。
 一同は菫青座の寄宿舎を出て、朝の晴れ渡った青空の下を歩き出した。




(踊る吸血鬼・おわり)

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